今回のテーマも、学校法人ガバナンス改革会議についてです。

学校法人ガバナンス改革会議(文部科学省HP)はこちら

いやぁ、知っていましたよ、勿論。今年度から学校法人ガバナンス改革会議なる会議が立ち上げられ、議論されていることは。でも、根本的なことを言うと法令の改正を伴うことですからそれほど劇的なことはなく、自主規律的な行動規範を各学校法人で作成しましょうねぇ、のような結論ありきかと思って、すっかりスルーしてました。

ところがですよ、ふと、会議資料を一部見ることがありまして、そこに衝撃的な内容が記載されており、「えっ! そんなことになっているの?」というのが最初の印象でした。

学校法人の理事会組織を認識されている方のほとんどが付随する(表現が違いますかね)評議員会の存在意義について疑問を持ったことがあると思います。おそらくですが。理事会の諮問組織としての機能は勿論あるのですが、あくまで諮問ですのでそこで何が議論されていようとも議決はあくまでも理事会です。そこに存在意義はあるのかと。

で、今回の私の目に留まった資料には

  「新たな学校法人ガバナンスの全体像及びその最高監督・議決機関としての評議員会の姿を早急に明示する必要がある」

とある訳ですよ。そして何より、理事の選任と解任を評議員会の権限としてはどうかと議論がなされており、論点としても明記されているわけです。

本気のガバナンス改革ですよ、これ。

そして、

「理事長の選任について、これの不透明さが大きな問題である。権力に長く就いていると腐敗するのは当然である。交代ができるようにするために、透明性のある手続を法令上組み込む必要がある。一番の問題は、ファミリー企業の世襲である。世襲させるための手続を寄附行為に組み込んでいる。これを多様性と言っているが、そうではない。建学の精神や創始者の意志が孫まで継承されるというロジックを崩すための論理を丁寧に検討するべきである。」

とまで突っ込んで議論がなされているわけです。あります。いわゆるオーナー系の学校法人は確かに存在します。地方であれば、結構有名どころもそうだったりしますし、個人名を冠としている学校法人は大概その形態が多いです。

私学団体は結構な声で反対を唱えているでしょうが、これが文部科学省のHPに公開されて、公に議論がなされているという時点で、大体、行く末が推し量られます。で、賢い理事長は早々に後継者指名をして勇退していくのでしょうね。なんといっても大切なのは学生であり、教職員というのが分かっているでしょうから。現理事の対応が二極化していくことは容易に予想できます。

さて、どうなりますでしょうか。議論の行く末を見守っていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 高等教育課程

1件のコメント

学校法人ガバナンス改革会議はやはり考えさせられます - 大学よもやま話 · 2021-10-21 22:33

[…] 学校法人ガバナンス改革会議について  カテゴリー: 大学 タグ: 学校法人ガバナンス改革会議 […]

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