今回のテーマは、才能教育にかんする有識者会議第3回目についてです。

特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議(第3回)(文部科学省HP)の配付資料はこちら

9月13日に開催された本会議での資料も興味深いです。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの資料(「社会の持続的な発展を牽引する力の育成に関する調査研究」)には諸外国の才能教育の制度・取組状況が紹介されています。アメリカ・英国・オーストラリア・ドイツ・フィンランド・中国・韓国など。やはりどの国も才能教育には取り組んでいるものの時の政権の方針によってかなり左右されていたり、試行錯誤が伺えます。それでも、早い国では1950年代から遅くとも1990年代にはどの大学も着手しており、国としてもしくは州として取り組んでいます。

 私の勝手な印象ですが、アメリカ合衆国は進んでいるのだろうなぁと思っていましたが、紆余曲折があるようで、1980年度以前の施策から変遷があります。それまで、国家中心で取り出し型(いわゆる才能教育のステレオタイプですね)だったのが学習者中心でインクルーシブ型、つまり多様な教育も実施するという制度の拡充へシフトがなされています。

資料には「目的・取組別に見た各国の才能教育の位置」がポンチ絵でまとめられており、各国の立ち位置が分かりやすく図示されています。

 で、別途、考察されているフィンランドは学習者中心でインクルーシブ型の典型例として位置付けられており、多様な教育・ニーズへの正規授業内での補償で才能ある児童を育成している制度を有しています。

 報告書にもまとめられていますが、学習者の立場で捉えてると取出型としての弊害(たいような学習者との接点が低減される)を国として、もっと言うと国民としてどれくらい許容していくのか。また、取出型にせよ、インクルーシブ型にせよ、教える側つまり教員の位置づけはすごく重要になりますので、果たして現状の教員養成課程のカリキュラムおよび研修で十分なのか、特別支援学校との差異など、各国の現状から日本の状況の課題が見えてきます。

 と、概観しつつ、やはり、国としてはフィンランドの制度に寄せていくのだろうなとの印象を受けました。是非とも才能が埋もれてしまわないよう、かつ、異能の人達がのびのびと学習できるよう制度を練っていただきたいと願っています。思い付きですが、例えば、学校は学校としてあり、希望者には異能を伸ばすコミュニティに参加出来るようにするなんてのも面白いかもしれませんね。似た者同士というか、そのコミュニティに所属することで才能を持った人同士の“共鳴”が生まれるともしかしたら、格段の成長が図れるかもしれませんしね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

参考記事


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