本日のテーマは、日本私立大学連盟が公表している提言『ポストコロナ時代の大学のあり方~デジタルを活用した新しい学びの実現~』についてです。

8月3日に公表されていますし、日本経済新聞には田中優子前法政大学総長の記事が掲載されていますので、ご覧になられた方もいらっしゃると思います。

提言『ポストコロナ時代の大学のあり方~デジタルを活用した新しい学びの実現~』の公表(日本私立大学連盟)はこちら

『私大連、改革提言の狙いは 規制廃し学生本位の学びに』(日本経済新聞 2021年8月17日)はこちら

 個人的に首肯する項目が多かったので、取り上げてみたいと思います。

提言の目的として、「単位の実質化をはじめとする大学設置基準や質保証のあ

り方はどのように見直されるべきか、広く議論するための提言である」と掲げているように、提言ですので、今置かれている大学が置かれている現状とあるべき姿のギャップを正確に捉えた上で、高等教育業界の視点から世に問うている内容となっています。ですので、記者会見もされていますし、メディアの対応もし、かつ監督官庁である文部科学省へも、日本経済団体連合会へも訪問しています。

 で、内容ですが、項目として挙げられているのは下記の4点。シンプルです。

 1.ポストコロナ時代を見据えた大学協会(大学の改革の方向性)

 2.国の規制緩和や支援

 3.質向上のあり方

 4.授業料に対する考え方

 私が着目したのは、「2.国の規制緩和や支援」内で「緊急課題」「中長期的に検討が必要な課題」で分けられている項目。その中でも単位の実質化と校舎等施設の緩和です。

単位の実質化。一般の方からすると、実質化ということは形骸化しているということの裏返し?と捉える方のいることでしょう。1単位45時間の学習時間が原則となっており、単位=時間です。え?大学で授業を受けているなら問題ないでしょ?と反応される方は、その反応で普通です。私も最初はそうでした。でも、もう一度見てみてください。45時間って長くないですか。その辺は以前に記事にしましたので、そちらを見ていただくとして、兎にも角にも、時間をどれだけかけたかが単位取得の第一条件なわけです。

参考記事

 でも、私、以前から疑問でした。例えば、授業の途中で、もう授業が設定いる目標の基準に達成していたら単位をあげても良いのではないかと。その空いた時間分その他の学習時間に当てた方が合理的ではないかと。というのも、私の大学時代にはそのような先生がいらっしゃいまして、授業内に何度かテストを行い、基準をクリアしていたら、次から来なくてよいよ。来ても良いけど、成績は変わらないよと。当時はラッキーくらいにしか思っていませんでしたが、至極、合理的。その原体験がある私にとって、時間至上主義の現行の単位制度は、どうしても違和感があります。

 そのことを本提言では、「学修時間」や「単位数」はガイドラインとし、「在籍年数」は削除すべきとまで踏み込んでいます。これを機に是非、議論していただきたい。もっと、担当教員を信頼しても良いのではないかと。

校舎等施設の緩和はまた、次回に。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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