今回のテーマは大学における単位です。1単位は事前事後学習の時間を含めて45時間の学習時間が前提条件となります。勿論、試験や課題が授業で求められている水準に達しているかが評価基準であることは言わずもがなです。

 さて、この45時間という設定時間ですが、どこから出てきたかご存知でしょうか。実はこれ諸説あるのですが、一説には労働時間が根拠となっています。つまり、一週間の労働時間が8時間×5日間+5時間(土曜日でしょうねおそらく)で合計45時間。これを半期である15週換算にすると一週あたり3時間となり、1時間を授業での受講時間とした場合、2時間を事前事後学習とするということとなります。

 で、この学習時間で単位を捉えるという考え方が段々と機能がしなくなってきています。コロナ禍で一気に進んだオンライン授業という手法となじまないというのもありますし、学修者本位の学びへと転換するという大きな流れにもなじみません。

 大っぴらには言っていないと思いますが、よーく分かった教員は授業の初回でテストを行い、中間でテストを行い、最後にテストを行う中で、既に授業で目指している水準まで学生が到達していたら単位認定するから後の授業は出なくて良いよというやり方を取っていると思います。だって、既に目指している水準に達しているなら、残りの時間はそれ以外に使った方が有意義だと思いませんか。勿論、その後、受講側ではなく教える側に立たせて授業のサポートをさせてより高次のレベルに引き上げるということをしている教員もいると思います。でもどちらも学修者本位ですよね。本来の単位認定だと思います。学習時間で縛るという発想はそろそろ脱却する時期に来ていると思われます。

 そのためにも必要なのは定期試験の一発勝負ではなく多段階評価を授業内で実施すること。少なくとも授業に入る前に教員も学生も現時点の能力を互いに知っておくことは必要ですよね。そこから授業の到達水準までどれくらい登らなくてはいけないかは少なくとも共有しておくべきです。それをせずして、いきなり授業に入るのはナンセンスです。受講者のレベルを知らずして授業設計はあり得ないですからね。

そうなると授業設計は本当に肝となるのですが、それはまた別の機会に。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

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