今回は趣向を変えて、物語をビジネスに捉えてみると、でいっていみたいと思います。

直近の読書感想文で取り上げました柏木伸介氏の『スパイに死を 県警外事課クルス機関』です。繰り返しになりますが、題名のクルス機関は機関と銘打たれますが、主人公である来栖ひとりの別称というか通称となっています。

 ビジネスにおいて、たった独りで出来ることは本当に限られていますので、シチュエーションとして違いすぎるだろうという突っ込みもあるでしょうが、来栖の場合も本当にたった独りというわけではなく、神奈川県警という組織に所属していますし、ほとんど単独行動でたった独りで行動している場面がほとんどながら、サポート役として攻撃型ハッカーの熊川(この人も県警所属の警察官です)がいて、上司もいて、そのまた上司もいて、なんだかんだ言いながらサポートしています。

 ここで注目すべきは、来栖の置かれている状況・環境(県警所属の警察官であること、校務員であること、外事課という特殊な部署に所属している)というよりもむしろ来栖自身の思考と行動です。

 物語の設定上、誰も信用できないという状況下にありながら、今までの経験やあらゆる情報、シチュエーションから自らの状況を俯瞰し、予測を立て、都度、修正しつつ、自分が想定している範囲内に収めようと獅子奮迅の働きをします。加えて、その想定範囲が上司のギリギリ許容範囲でもあるということも見逃せない点です。決して、上司から可愛がられるキャラクターではないですが、確実に仕事をやり遂げるという姿勢、そして実績は上司の信頼は当然、厚くなります。なので、通常であれば、認められないことも来栖であれば許されており、上司も骨を折るということも引き出しています。

 ねっ!

 これってビジネスでも十分に流用出来そうでしょ。読む時は物語への没入感を最も最優先にする私ですが、以前から、これってビジネスでも十分に参考になるのでは?と思っていましたので、振り返る時にはあてはめていましたので、今回、記事にしてみました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

柏木伸介(2020)『スパイに死を 県警外事課クルス機関』.宝島社.

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