今回のテーマは、才能教育にかんする有識者会議第2回目についてです。その配付資料の中で上智大学の奈須正裕教授の資料には目から鱗というか、腑に落ちることばかりが記載されています。

「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」はこちら

資料を拝見して率直に思ったことは、もっと子どもを信頼しても良いのではないかということ。今までの経験からくる思い込みや偏見を一回綺麗に忘れて、本当に子どもを素直に観るという姿勢が大切なのだと。

奈須教授の資料にあるこの言葉が心に響きました。

「自ら学び進める力が育ては、協働的な学びも、子どもたちだけで進められる」

そうですよね。自ら学び進める力を持った子どもは、協働的な学びも、子どもたちだけで進めていける。必要なのは、大人側が子どもたちを信頼すること。それに尽きると思いました。学びの主体は、生徒学生であって、教員側ではないのですから。あくまでサポート、学習の支援をする側。決して、教えると大上段に構えることがないよう気をつけなくてはならないのです。元々持っている能力をただひたすらに引き出してあげることに注力する。何に興味関心があるのか(what)、どうやればその分野の才能を伸ばしていけるのか(how)、このことを資料では、「2つの得意を見出し、自分に最適な学びを自力で進められる」として、以下の2点が提示されています。

  1.学ぶ「領域」の得意:この領域が得意、充実する、自分には必要

  2.「学び方」の得意:この学び方だと、自分らしく、楽しく上手に学べる

これを初等中等教育課程の間にしっかりと養っていけば、自らが学び進める力を持つことがきっとできるはず。そして、これは何も初等中等教育課程だけに限られてことではなく、高等教育課程、更に言うと社会人にも言えることで、先日、報道にも取り上げられていて記事にもしました教員免許更新制の廃止にも関連します。現状、そして将来の不確実な状況において大切なことは、学び続ける姿勢。これを涵養していくことが求められているのだと改めて認識しました。

 そう考えると同有識者会議の第1回目で提示されていました松村暢隆委員(関西大学名誉教授)の「通常学級から校外プログラムまで適合する場で、全ての児童生徒の才能特性を活かす、公正な個別最適な学び」を施すことで「特異な才能も救える」ということも奈須教授が示されていることと通じるところがあり、根底には、どんな子どもにも様々な才能があり、それを支援する仕組みこそが求められているということかと。

 うーーん、シンプルでありながら、奥深いです。決して大人の都合や今までの固定概念に固執することなく“今”の子どもたちに注目し、柔軟に制度を見直していくことが必要なのだろうと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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2件のコメント

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