芝浦工業大学と言えば、入試の女子枠を早期に設けたり、学部学科構成の改編など常に新しい取り組みをしているイメージが個人的にはあります。今回はその芝浦工業大学が導入する給付型奨学金のプレスリリースについてです。

「一都六県以外からの入学者に向け授業料負担が実質国立大学並みとなる給付奨学金を整備~年間110万円を最大4年間給付~」(20240801 芝浦工業大学)はこちら

つい先日、京都先端科学大学の奨学金制度を採り上げたところですが、芝浦工業大学の給付型奨学金もなかなかな制度となっています。詳細につきましては、上記プレスリリースをご参照いただきたいのですが、導入の背景は必読です。芝浦工業大学は入試の地方会場を設けている印象を受けていましたが、それでも8割が関東圏出身の学生で占められているという事実からすると、多様性に関して少なからず危機感を持たれているということでしょう。この点は早稲田大学の奨学金(めざせ! 都の西北奨学金)の背景と近いものがあるのでしょう。ただし、芝浦工業大学の金額には驚きました、しかも4年間という期間の長さにも。

ひとつだけ気になるところと言えば、何をもって「優秀な成績」とするかですね。既に情報公開がスタンダードとなっている趨勢からみるにつけ、選考基準の明確化は避けて通れないのではないかと推察いたします。点数なのか、順位なのか。それに向けて励む受験生も出てくるでしょうし、出願数も変わってくることでしょう。

それにしても、大学名が認知されている大学ですら、このような施策(給付型奨学金の導入)に打って出ている現状において、地方の知名度の低い私立大学はどのような戦略を持っていけばよいのか。本当にマネジメントの巧拙が如実に出てくる時代となりました。

中教審大学分科会が公表した中間まとめでも明らかなように地方の高等教育を担うのは国立大学と公立大学に絞られましたので、いよいよ私立大学の選択肢は限られてきました。

危機感を持っているのは経営層だけでなく、一般の事務職員もかなり強烈に抱いています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

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