博士課程(特に後期課程)と言えば、限られた学生が進学するイメージがあり、その後は就職というよりも研究者への道を目指すのだろうというのが、変わらないイメージなのではないでしょうか。一時、国の方針によりPD(ポストドクター)の拡大を実施しましたが、その後が非正規雇用へ繋がるということで一気に萎んでしまった印象を受けています。

実際の進学状況がどうなっているのだろうかと調べてみますと、少し古いですが、文部科学省の資料が公表されていました。

「学士課程修了者の進学率の推移(分野別)」(文部科学省)はこちら

これを見ると、「修士課程修了者の博士課程への進学率は各分野を通じて減少傾向」にあるようでして、進学するにあっての重要視する項目としては、

・博士課程在籍者に対する経済的支援が拡充する

・民間企業などにおける博士課程修了者の雇用が増加する

・賃金や昇進が優遇されるなど、博士課程修了者の民間企業における雇用条件が改善する

博士課程修了者がアカデミックポストへ就職する可能性が広がる

などが挙げられています。

ということでやはり私の個人的なイメージと現状にそれほど差はなく、まだまだ改善の余地があるということなのでしょう。

2年前の日本経済新聞には以下のようにまとめられていますので、就職状況も厳しいのでしょうね。

「「博士離れ」浮き彫り、学生2年連続減 就職状況厳しく」(2022.08.24 日本経済新聞・会員限定記事)はこちら

とは言いながら、博士課程を有している大学も手をこまねいているわけではなく、経済的支援を拡充していまして、関西学院大学では、授業料の質無償化をはかるそうです。ちなみに同志社大学はすでに実施済みでして、東京理科大学に至っては8年前から実施済みでした。

博士課程に対するインターンシップ制度も充実しつつありますので、今後の各種の施策に注目していきたいところです。

「関西学院大学大学院 博士課程後期課程が実質無償化!」(2024.06.07 関西学院大学)はこちら

「博士・修士課程学生を対象とした経済的負担軽減等に係る制度一覧」(同志社大学)はこちら

「実質無償化奨学金で博士課程の学生の倍増をはかる 東京理科大博士課程の実質無償化奨学金」(2016.04 学研・進学情報・特別レポート)はこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

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