人の器

自身で自覚しているかどうかは別として、人には器というものがある

いや、あると思っている

いやいや、その人はその役(もしくはプロジェクト)の器ではないだろう
要は、その役はその人には重荷だろうと、本当に自分のことはさて置いて、他人のことでは密かに思ってしまう
決して口には出さないが
余談だが、他人の悪口は聞くには別段どうとも思わないのだが、いや、話す人によってはなるほどと思うことも多々あるのだが、私は他人の悪口を言うことはほとんどない
正確には悪口を言わないように心掛けている
ただし、悪口かどうかは捉える側の問題と言えばそれまでだが、その人の業務に対する姿勢や行動については指摘するし、気が向けば本人にも言う
気が向けばだが

なぜ、悪口を言わないかと言えば、他人の事をとやかく言える人間なのか自分は、とふとよぎるからである
あとは悪口を笑いまでに昇華できていないというのもある
オチのないエピソードを聞かされるほど苦痛なものはないので、折角、お話しをするのに相手に苦痛を与えて何が面白いのだとも思ってしまう

私が悪口をふんふんと聞ける相手は、多分に話しが面白い
昇華しているように思う
だから何度聞いても面白い

自分にはその力がない
これは明らか
だから他人の悪口は口にしない
そのエネルギーを別で使いたい人間なのだと割り切ってきたし、これからも変わらないだろう

さて、今回の物語
安田依央氏の物語はお初

人のあたたかさ
素直さ
誠実さ
を感じさせられる物語でシリーズのもの途中ではあるが充分に楽しめる

一人ひとりの登場人物のキャラがキチンと立っているからだろう

お気に入りのエピソードは2つ目のエピソード
人の道を踏み出しそうになる少年の行動変容が背景から結果まで見事に描かれている
自身を振り返られるこういった物語はもう一度読みたくなる

ということで、オススメ

安田依央(2019)『出張料亭おりおり堂ー月下美人とホイコーロー』.中公文庫.


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