軽妙な語り口とキャラ立ちした登場人物。一見すると軽いノリなのだが、未解決事件へ取り組むその姿勢は刑事そのもの。姿勢というか執念か。
しかも、捜査に関すること以外はそれほど頓着しないのも潔い。
今回は遥か以前の未解決事件と最近起こった事件にもなっていないような事件。
どちらの事件においても被害者に寄り添う姿勢。傾聴の姿勢を持っている。
大量の資料を読むことも厭わず、ただ突き進む。巻き込まれる周りは大変、いやかなり大変だが、結果を出すことで否が応でも納得してしまう。

本作も続編ということで気になる前作シリーズへと誘われる。つい読み進めてしまう不思議な魅力がある。これが前回にも紹介したがTVドラマへと繋がったひとつの要員かもしれない。主人公が小泉孝太郎氏というのもはまり役だったのかも。

真摯に仕事に向き合う姿勢は見習いたいもの。しかも嫌味もサラっと言えるその自信と言うか無神経さ加減も見習いたいもの。齢も半世紀を過ぎるとあまり周りの目も気になることもなくなり、ようやく我が道を行けるような気がしてきたこの時期にこのようなプレモデルに出逢えたということは、啓示ということか。

まだまだシリーズものがあるようなので、引続き読んでいきたい。


富樫倫太郎(2021)『警視庁ゼロ係 小早川冬彦1 特命捜査対策室』.祥伝社.


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