博士課程進学者の低調さは以前から気になっていましたが、このたび、文部科学省では博士人材活躍プランが公表されています。
「「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」について」(2024.04.01)はこちら
国別の人口100万人当たりの博士号取得者数は以下の通り。
英国340人
ドイツ 338人
韓国 317人
米国 285人
フランス 137人
日本 123人
中国 50人
英国・ドイツ共に2020年に一回下がったものの2021年には上昇へ転換、その他の国もフランスを除いて上昇傾向にあります。
かたや日本はほぼ横ばいで150人を上回ったことがないことからも社会構造の問題のような印象も受けました
では、国がこれほど大学院修了者の排出に力をいれているのか、なんですが、単に国際比較で人数が少ないからということだけではないようです。
上記サイトの資料にも記載があるのですが、「OECD stats(2022)」のデータから文部科学省が作成した資料を見ますと、「労働力人口に占める大学院修了者比率と労働生産性には正の相関がある」と記載があります。今後、日本は確実に人口減少が加速しますから、その減少分を労働生産性を高めることで賄う必要があり、その要として大学院修了者の増加を国としては推進していきたいということがひとつ要因として挙げられているのだと思われます。
で、具体的な取り組みとしては以下の通りです。
・社会における博士人材の多様なキャリアパスの構築
・大学院改革と学生等への支援
・学生本人への動機づけ
これだけだと何が具体的な取組みかは不明だと思いますが、上記サイトで詳細に記載がなされていますので、ご参照いただければと。
これらの項目を見て、学部生→修士課程→博士課程の単線キャリアではもはや無理なんだろうなぁとの印象を持ちました。そこで、以前にも取り上げたことのある就職した後の博士号取得を支援した方が増加するのではないかと。
事実、以下の調査では、博士課程修了者を採用している企業よりも博士号取得のサポートしている企業の割合の方が多いという結果が出ています。
「民間企業の研究活動に関する調査報告2022 [NISTEP REPORT No.199]を公表しました(6/21)」(2023.06.21 科学技術・学術政策研究所)はこちら
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
(参考記事)
1件のコメント
博士課程の経済的支援が拡大しています – 大学よもやま話 · 2024-06-12 07:31
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