個人的に入試業務に携わったことがありますので、各種入試の情報については敏感になっているのですが、結構衝撃だった記事がありました。

「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」(2024.02.28 東洋経済オンライン)はこちら

皆さんは「入試過去問題活用宣言」をご存知でしょうか。

これだけ入試問題が作成されてきた経緯と労力を鑑みれば、過去問題の活用はあって然るべきで、最初にこの宣言に触れた際には画期的なことだと感心した覚えがあります。

活用とは言え、ある程度は改訂されていたり、他大学の問題を活用していたりという利用方法だと勝手に思い込んでいましたが、自大学の過去の問題をそのまま出題するという事例もあるのかと、上記の記事から衝撃を受けた次第です。確かに良問であればあるほど、再利用の価値は高いですし、一度解いたかどうかという差は生まれるにせよ、そのまま出題すること自体は決して非難されることでもないなと。ましてや、早稲田大学のように知識量では太刀打ちできない問題であれば、活用することの利点も大きいなと得心しました。

で、「入試過去問題活用宣言」で実際の利用状況が公表されていますので、ご関心のある方は是非とも確認していただいてはいかがでしょうか。興味深いです。

「入試過去問題の利用状況」(入試過去問題活用宣言)はこちら

上記サイトの一覧表には「⑤改変の有無」があり、「無」の入試問題も結構あります。しかも自大学の過去問題をそのまま流用している大学もありますので、既に宣言とおりに活用実績があるということです。

そもそもこの宣言に至る背景には、「宣言」に謳われていますように膨大な数の入試問題の蓄積、並びに入試業務(特に入試問題作成担当者)の過大な負担があります。

本来、見るべきは学生の適性と学力水準であり、そのためのツールとしての入試問題という視点に立てば、入試自体の機能が選抜からマッチングへと移行している現状ではむしろ新しい入試問題を作成するという業務自体が見直しの対象なのかもしれません。今後の動向にも注目が必要ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

1件のコメント

立命館大学がAO選抜入学試験で新しい取組みを行っています – 大学よもやま話 · 2024-04-09 07:35

[…] 大学入試の流用について カテゴリー: 大学 タグ: AO選抜入学試験立命館大学 […]

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