10月1日現在の就職内定状況調査が公表されています。
「令和5年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)」(2023.11.17 文部科学省)はこちら
詳細につきましては、上記サイトをごらんいただきたいのですが、私がいつも見ているのは就職希望率。卒業予定者を母数として希望する学生数の割合を指しています。なぜ、この指標が必要かと言いますと、就職内定率の分母が就職希望者数だからです。卒業予定者数ではないんですよねぇ。ここが勘違いしがちなんですが。ついでに言うと、上記の調査は全数調査ではなく、抽出した大学の標本調査でして、あくまでもサンプルの大学から全体の動向を見ましょうという調査であります。
さて。
まずは、就職希望率から。
大学全体の就職希望率は、昨年度比で0.2ポイント低下しています。
内訳を見ますと、
国公立大学が0.4ポイントの上昇に対して、私立大学が0.6ポイントの低下。
男女別を見ますと、
私立大学においては、男子が1.2ポイントの低下に対して、女子は0.4ポイントの上昇
就職内定率を見がちですが、その母数の指標となる就職希望率を私が注目する理由がここにあります。そもそも就職を希望している学生は増えているのかどうか、ですね。低下しているから悪いということではなく、その他の指標と同様、どんな要因があって低下しているのかを見る必要がありますよ、ということです。就職を希望しないのであれば、進学という選択肢もありますし。要はその要因を知ることが重要だと思います。
次に就職内定率。
大学全体の就職内定率は0.7ポイントの上昇となっています。
内訳を見ると、
国公立大学が2.9ポイントの低下に対して、私立大学は1.8ポイントの上昇。
男女別を見ると、
私立大学は男女とも上昇していますが、国立大学は低下しています。
国立大学においては、男子が3.6ポイントの低下、女子も1.9ポイントの低下となっており、男女とも低下している。
なぜ?と思いませんか?
私立大学は上昇しているのに国公立大学は減少している。
この調査だけだと分かりませんが、もしかすると抽出した国公立大学の中で何かあったのかもしれません。
最後に地域別就職内定状況。
北海道・東北地区と九州地区を除く地域が上昇しています。
ここでも、九州地区の8.1ポイントの低下は何があったのか、に疑問がわきます。九州地区だけが景気が悪いとは思えませんし、半導体製造に関する工場が建設されるなどむしろ景気が良さそうなイメージがあります。1割弱の減少は気になるところです。
このような疑問点を持ちつつ、次回以降の調査結果の公表を待ちたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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1件のコメント
令和5年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在) – 大学よもやま話 · 2024-01-17 10:30
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