本日の書籍は瀬尾まいこ氏の『そして、バトンは渡された』です。

今までの書籍と全く趣がことなるこの物語。セレクトの理由は、ずばり装丁でした。ジャゲ買いみたいなものです。緑地に真ん中にオレンジの棒が配置されていて、その上におかっぱの女の子。そして、題名は『そして、バトンは渡された』ですよ。思わず手に取るでしょう、普通。またもや何が普通なのか不明ですが…。ともかく手に取ったわけです。

 では、中身の感想をば。

常識的なキャラクターが揃う中で少しズレた、しかし本質を時々突くキャラクター。

モヤモヤした既視感があり、誰だったかなぁと思いながら読み進めていくと、ポンと出てきました。

伊坂幸太郎氏の「陽気なギャングが世界を回す」の登場人物でした。はぁ、スッキリ。
でも、誰かは分からないんですよね。この人っていうよりもこの人とこの人とこの人という感じて重なり合うイメージです。確実に空気感は似てます。
実を言うと一度、読むのを止めました。なんだか、ツラくなって。私、物語に没入するタイプみたいで読み進めていくとその物語にいるんですよね。なので、ツラい展開になると心が重たくなるというか読み進めていくのがツラくなってしまうことがあって。
そうなんですが、なぜかこの物語に出てくる「森宮さん」という登場人物が気になって、気になって。
自分だとあり得ないんですが、主人公との関係性を成立させてしまっている。なぜ?という疑問の方が大きくなってまた手にとってしまいました。不思議と2度目は全然ツラくないんですよね。ホント、不思議。
普通(この物語を読んだ後では何が普通なのかすら曖昧なのですが)、あり得ないシチュエーションが成立してしまっている謎が最後まで読むと、あぁ、なるほどと腑に落ちる。
思わず、顔を上げて前を向いて歩いて生きていきたくなるそんな物語です。
最初に言えば良かったです。
オススメです。

でしょうが、それはまた別の機会に。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

瀬尾まいこ(2018)『そして、バトンは渡された』.文藝春秋.


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