誰しもが抱えている闇の恐れ。
誰しもが抱いている闇への憧れ
地方都市・仙台を舞台に、文字通りアウトローな面子がしのぎを削り、相手の間隙を突き、今日を刹那的に生き延びている。
そこへ降臨したひとりの漢(おとこ)・柴崎。
彼に見出され、魅了され、登場人物は自分の行先を選択していく。
地上と地下という表現を用いることで、ハッキリと線引をしておきながら、どちらを選択するのかは、本人に委ねる。
決して没頭できる物語ではないが、引き込まれていく自分に驚かされる。
自分もやはり闇の部分を抱えていて、そこと共鳴しているのだと自覚させられる。
既視感はありつつも、確かに新しい世界を見せてくれる。
オススメである。
柴田祐紀(2023)『60%』.光文社.
カテゴリー: 感想文(読書・映画諸々)
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