自分の年代の少し上。主人公が生きていた時代背景も私を没入させる要因のひとつ足り得るのだと改めて認識。
改めてまして。
この物語の主人公の名前は、
梯 結子(かけはし ゆうこ)。
このネーミングの由来も、その後の人生への影響力もこの物語を読み進めながら、是非とも堪能していただきたいのだが、全てはこの名前から始まっているような印象を受ける。
時々、差し挟まれる作者のエッセイも新鮮な印象を受け、クスリと笑わされるのは、ほぼ同時代を生きた故か。
主人公自身のキャラクターの立ち方が見事なのは当然だとしても、取り巻く友人や家族のキャラクターの立ち方もお見事。
総じて、主人公を温かく見守っているという印象。
現実の世界でも同様で、各個人の能力が伸びるのは、元々持っている自身の資質が重要な要素であるのは勿論だが、環境も大きな要素であると認識させられる。
自分も、焦らず、温かく見守る人間でありたいと常々思っている。
次回作にも期待しつつ(しばらく終わりそうにない物語である予感が多分にあるので、楽しみで仕方ない)、しばらくは余韻に浸りたい。
兎も角、オススメである。
恩田陸(2022)『なんとかしなくちゃ。 青雲編』.文藝春秋.
(参考記事)
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30秒間読書感想文:恩田陸氏『図書館の海』 - 大学よもやま話 · 2023-10-23 11:30
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