この時期になると取り上げられる私立大学の定員充足状況ですが、今年はとうとう5割を超える私立大学で入学者の定員割れに陥っていると報道されました。

「私大定員割れが初の5割超え 短大は9割、小規模校苦戦」(2023.08.30 日本経済新聞)はこちら

詳細につきましては、上記の記事にてご確認いただきたいのですが、地域間格差と規模による格差が一段と拡大したようでして、文部科学省も定員削減へ向けて私学助成の配分方法の見直しを図るようです。

今年に入って、既に

・恵泉女学園大学

・神戸海星女子学院大学

・上智大学短期大学部

が学生募集停止を発表していますので、学校法人としての生き残り(大学単体を有している学校法人は少ないでしょうから)を検討している私学も多いでしょうから、まずは定員削減、次に学部譲渡、最後に募集停止という段階別に経営判断を迫られることとなるでしょう。

学部譲渡の事例で言うと、2020年の学校法人神戸山手学園から学校法人濱名学院への学部譲渡が最初ですが、このスキームを使う大学は増える可能性はあります。

「日本初の学部譲渡による統合、 濱名山手学院誕生に向けて」(2019.07 リクルートカレッジマネジメント)はこちら

Between情報サイトの記事によりますと、「校地や施設、教員組織をそのまま移行する場合は書類と審査を簡素化」されますので、先日、報道されていましたマッチングシステム活用後の道筋は既についていると言えます。

「大学間の学部譲渡を制度化、2020年度からの設置者変更も可能に」(2019.05.27 Between情報サイト)はこちら

どちらにしろ、あとは経営判断ですので、私学として今後、どのように運営していくのか、中期計画をどの大学も策定していますので、本気で考えているかどうかによって、経営判断の巧拙にも影響していくことが予測されます。

望むべくは、各地域にあるコンソーシアムを活用しつつ、質の高い教育プログラムを提供している大学は小規模であっても残していただきたいものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

1件のコメント

短期大学も経営判断が迫られています(池坊短期大学) - 大学よもやま話 · 2023-10-17 11:30

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