今回のテーマは「スーパーシティ」構想についてです。
ご存じでしょうか、「スーパーシティ」。私全く存じ上げませんで、たまたま岡山県の吉備中央町が遷都先の名乗りをあげるシンポジウムを開催していたという記事を見て、その中の「スーパーシティ」構想が目に入った次第です。
「スーパーシティ」構想についてはこちら
そもそも「スーパーシティ」って何なのかということですが、背景には海外の「スマートシティ」があるようで、資料の中の事例としてもスペインのバスセロナ市や中国の杭州市が取り上げられています。それぞれ、「Wi-Fiを都市のICT共通基盤として整備し、生活に変革をもたらすプロジェクトが2000年より進行中」であったり、「アリババ系列会社が行政と連携し、交通違反や渋滞対策にカメラ映像のAI分析を活用。ベンチャーによる無人コンビニも展開中」であったりします。平易な表現をすれば、テクノロジーをベースとした未来都市という感じでしょうか。
構想の概要の中にもポイントとして、「生活全般にまたがる複数分野の先端的サービスの提供」「複数分野間でのデータ連携」「大胆な規制改革」が挙げられていて、どこか既視感があるなぁと思ってみていくと、「国家戦略特区」の文言が。なるほど、規制緩和の方向性を「スーパーシティ」という観点から推進していくのだなと合点がいきました。
さて、公募には全国の自治体から計31件の応募があり、最終的には5地区程度に絞られるようで、本日時点ではまだ公表されておりません。
で、このうち教育に関する提案は、宮城県仙台市、群馬県前橋市、岡山県吉備中央町の3件でした、私が見る限りなんですが。
仙台市は、東北大学と連携して応募しており、東北大学のキャンパスそのものを活かした都市づくり(しかもデジタルとリアルの両面から攻めるようです)を目指しています。
仙台市の構想はこちら
前橋市は、12のテーマが設定されており、教育関係では、「人が学び育つ」と題して、
・バーチャル×リアルで街じゅうが全ての市民の学びの場になる学育空間の実現
・個人の意欲や関心に応じて個別最適化されたプログラムを提供する新たな小中高大一貫型教育による未来人材の育成
・海外日本人学校とのグローバル連携学育及び外国籍のこどもの学育の充実
が示されています。2番目の小中高大一貫型教育は非常に興味のあるところで、それが可能であれば、高大接続という枠組みよりもさらに大きな視点で教育プログラムが構築出来ますよね。実際、玉川大学はそのような教育を目指しているようで大々的にマスメディアへ広告を打ち出されていたのはとても印象的でした。
前橋市の構想はこちら
最後に岡山県吉備中央町です。こちらは7分野について触れられていて、教育に関しては「吉備高原バーチャル小学校」と題して、オンライン空間にバーチャル小学校を設立する計画です。全授業をハイフレックス型でライブ配信するとともにアーカイブすることで自学自習を支援する。同時にマイクロステップ・スタディシステムを活用し、個別最適化学習を実現するようです。
吉備中央町の構想はこちら
いずれの都市の構想にしても大胆な規制緩和を伴うものですので、どの都市が採択を受けるのか興味があります。採択後の構想の実現についても見ていきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
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