そう言えば、鳴り物入りで始まった10兆円ファンドの運用状況って、その後どうなったのだろうと思っていたところ、やはり報道機関はキチンと追っていて報道が出ていました。

「「国際卓越研究大」支援の大学ファンド、運用赤字604億円…元本の10兆円割り込む」(2023.07.09 読売新聞オンライン)はこちら

結論で言うと、元本割れ。主に債券価格の下落が大きかった模様でして、これだけ利上げされていくとそれはそれで致し方ないだろうなぁと思い、念のため、JST(科学技術振興機構)で概要くらい出ていないかなぁと思って見たところ、いや、キチンとしてますよ、こちらも!業務概況書が公開されていて、運用状況も詳細にまとめられていました。

「国立研究開発法人科学技術振興機構 2022年度 業務概況書 -大学ファンドの運用状況等-」(2023.07.07 国立研究開発法人科学技術振興機構)はこちら

ほんとに一部なのですが、抜粋すると以下の通り。

「2022(令和4)年度末の「運用資産額」は9兆9,644億円、2022(令和4)年度の「収益額(=総合収益額※1)」は-604億円となりました(元本比-0.6%)。また、損益計算書上の「当期総利益」は+742億円※2、保有資産の時価評価による評価差額(貸借対照表上の「その他有価証券評価差額金」)は-1,259億円※2となりました。「収益率(=時間加重収益率※3)」は-2.2%でした。」

この元本割れの△0.6%をどう捉えるのかは立場に依ると思いますが、投資経験の浅い私から見るとまずは額に圧倒されてしまいます。でも、率で見ると0.6%ですから何だか混乱してしまいます。誤差の範囲なのではないかと。

資産構成割合で見ますと、

グルーバル債券:54.6%

グルーバル株式:17.2%

オルタナティブ:0.6%

短期資産(預金等):27.6%

となっていますので、金利上昇に伴う債券価格の下落は予測できたことですし、資産構成で見ると手堅い運用形態をとっているようですので、運用されている方からすると許容範囲と判断されるような気もします。

と思って見てみますと、

「2022(令和4)年度は、1年間を通して許容リスク範囲内での運用を実施しました。」

の文言が。

やはりそうでしたか。納得しました。自分の資産構成にも参考となりそうです。

JSTのHPにはその他にも大学ファンドに関する情報が結構丁寧に掲載されていますので、一度、閲覧してみてはいかがでしょうか。

「大学ファンドについて」(国立研究開発法人科学技術振興機構)はこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

3件のコメント

(続き)大学ファンドの2022年度運用状況が公開されています(科学技術振興機構) - 大学よもやま話 · 2023-07-19 11:36

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「大学・高専機能強化支援事業」の初回公募選定結果が公表されています(文部科学省) - 大学よもやま話 · 2023-07-25 11:30

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