３０秒解説：令和6年度開設予定の大学の学部等の設置届出について（令和5年4月分）

来年度４月開設予定の学部等の設置の届け出状況が公開されています。

「令和6年度開設予定の大学の学部等の設置届出について（令和5年4月分）」（2023.06.23　文部科学省）はこちら

各大学の届け出状況を見て、まず目を惹かれたのは、データサイエンス系の学部が継続して開設されるということです。

データサイエンス系の学部を設置している大学は以下の通り。

富山県立大学　情報工学部（既存学部の改組）

高知工科大学　データ＆イノベーション学群（新設）

名古屋学院大学　経営学部（既存学部の改組）

公立大学でデータサイエンス系の学部を開設するという動きは、地方におけるＩＴ人材の需要とも関連してきますので、学部とまではいかないまでも、学科もしくはコース、副専攻などで引き続き、広がっていくことが予測されます。とは言いながら、学生への教育プログラムの充実はもちろん必要なのですが、社会人への教育プログラムの充実も喫緊の課題ではないかと思っており、特に５０代以上の労働者に対する浸透は重要ではないかと思われます。あとは、シニア世代への教育プログラムの提供まで広がると裾野はぐっと広がるのではないかと。

また、今回の届け出の状況を見て、気になったのは建築系の学部学科についてです。

建築系の学部学科を設置している大学は以下の通り。

日本女子大学　建築デザイン学部（既存学部の改組）

大同大学　建築学部（既存学部の改組）

大阪電気通信大学　建築・デザイン学部（既存学部の改組）

既存学部の改組がほとんどですので、より分かりやすく前面に出したということなのでしょうが、工学部の中にあるとやはり受験生には伝わりにくいということなのでしょうね。月並みな表現ですが、受験生数が減少傾向にある状況において、より学部単位での募集の重要性が高まっているということなのではないかと思われます。また、日本女子大学の家政学部に関して言うと、旺文社の分析にもありますように2023年私立大学一般入試の志願状況のうち「家政・生活科学」系統は女子大離れの影響もあり、前年度の８割弱という大幅減ですので、早々に手を打ったというところかと思われます。

「2023年 私立大一般選抜志願者動向分析」（2023.05.31　旺文社パスナビ）はこちら

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（参考記事）