昨年取りまとめられた特異な才能のある児童生徒に対する指導 ・支援に関する有識者会議の座長である岩永雅也放送大学学長へのインタビュー動画が公開されています。

「特異な才能のある児童生徒に対する指導 ・支援に関する説明動画(有識者会議座長インタビュー)」(文部科学省)はこちら

「特異な才能のある児童生徒を定義しない」理由として、基準を定めることによる児童生徒の特定化の恐れが懸念とされたようです。座長の岩永学長曰く、「個性の把握という形」だそうです。ややもすると、基準に到達することを目指し、その能力の獲得に注力しそうになる昨今の風潮(特に親世代ですかね)ですが、そうではなく、今の能力がどうなのか、その児童生徒たちにとってよりよい教育的アプローチとは何かを編み出すための手段の検討でしょうね。

また、「早修」と「拡充」の定義も示されています。特異な才能というイメージからは飛び級(学年を飛ばして進級していくこと)が想起されますが、そうではなく飛び抜けた分野以外の分野をじっくりと学習していくことが日本の教育にあっているとのこと。

ただし、実際の現場の教員が多忙なのもまた事実ですので、ICT技術を活用した校務の効率化と併せて、先進事例を実証研究することや研修機関の充実が今後推進されていくようです。

先進事例の実証研究には期待したいですし、可能であればより多くの先進事例を集め、データベース化していき、実際に実践している教員のコミュニティが形成されていくと面白いかもしれません。そのコミュニティの輪が大きくなっていけばなっていくほど、特異な才能のある児童生徒だけでなく、それ以外の要因で学校を敬遠している児童生徒へのアプローチも可能となってくるでしょうから。

岩永座長が言及されているように有識者会議の提言で劇的に変わっていくものではなく徐々に改善されていくでしょうから、今後に注目していきたいところです。

(参考記事)


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