今回のテーマは、全国的な学力調査のCBT化についてです。

今更ですが、CBTとはComputer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)の略称で、コンピュータを使用した試験方式を指します。従来の紙の試験方式はPBTです。

「全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ 最終まとめ」はこちら

 さて、国際的なCBTの実施状況(PISAなんかがまさにそうですよね)を踏まえ、令和2年度から文部科学省内に全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループが発足され、様々な検討がなされ、この度、最終まとめが公表されています。

 概要にある「最終まとめ」のポイントでは、令和6年度から順次CBTを順次導入することとなっており、そのための国立教育政策研究所の体制強化が必要と謳われています。ちなみに令和3年10月にはCBT化に向けた検討・準備の一環として「教育データサイエンスセンター」が新設される予定となっています。

 このあたりの話しは、大学入学共通テストにも繋がる話しで初等・中等教育課程の全国的な学力調査がCBTへ移行すると、当然、大学入学共通テストを受験する層も当然、CBTという形態に慣れているわけでして、あとは技術的な問題となってきますよね。大学で準備するのか、高等学校で準備するのかというのも、全国的な学力調査が実施されていくという前提であれば、高等学校で受験することも可能なわけですし、期間を設定して受験させるというのもアリだなと思っていたら、「各論」の箇所に「悉皆調査について、調査目的や実施日程の柔軟性の確保等を踏まえ、現在の同日一斉実施を見直し、一定期間内(複数日に分散)実施が適当。」と記載がありました。全国レベルの制度ですので、一気にというわけにはいかないでしょうが、着実に進めていっている感があります。さすが。

 タイムスケジュールとしては、「悉皆調査の教科調査は、令和7年度以降できるだけ速やかに中学校から先行導入し、それ以降、できるだけ速やかに小学校に導入。」とありますので、まずは機器の操作になれているであろう中学生から実施し、課題を検証し、小学生へと移行していく予定のようです。

 ここでひとつ妄想。

 こんな風にCBTがテストのスタンダードの形式になっていくと何が起こるのか。まず、受験する場所が関係なくなります。年齢も関係なくなりますよね。だって、小学生の頃から親しんでいるテスト形式ですから。そうなると時間と空間を飛び越えることが出来るわけで、これって飛び入学、越境入学、海外進学が容易になる、つまりテストというのはあくまでドメスティックな範囲に限定されていたものがグローバルに展開されるということかと。

国際間競争がますます激しくなりそうですよね。欧米勢の下準備は着々と進んでいますし。

具体的に言うと。MOOCを使った広範囲な裾野を広げていますでしょ。気軽にその国の一流の教育の一端に触れることが今日現在においても可能な状況にあります。その教育を直に受けることのできる環境が整いつつある。国内の優秀な頭脳は日本語というかなり特殊な条件で縛られていましたが、今後は関係ない、いや今の段階でももはや関係ないのかもしれません。その視点を持つと様々な事象が繋がってくるのが興味深いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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