To be yourself in a world that is constantly trying to make you something else is the greatest accomplishment.
Ralph Waldo Emerson
絶えずあなたを何者かに変えようとする世界の中で、自分らしくあり続けること。それがもっとも素晴らしい偉業である。
ラルフ・ワルド・エマーソン
自分らしくあり続ける。
そもそも自分とは何なのか、何者なのか。歳を重ねるにつれ、ますます分からなくなってきている。孔子の「不惑」からはほど遠い。我ながら、よくここまで何も考えずに平和に過ごしてきたのだと思う。
まぁ、だからこそ、このブログで少しでも頭を整理する時間を設ける動機となっているわけだが。
この物語の主人公・川田幸代は29歳で独身、彼氏あり。趣味、というか本業に近い同人誌作りを生活の起点に置いており、会社での所属はこの物語のタイトル。
社史編纂室という部署だけに生き字引のような面子かと思いきや、装丁に表されているように部長・課長を除いて若い面々。それぞれに訳あって社史編纂室へ配属となったようで、その訳も物語には重要な要素となっている。
物語はもちろん、主人公・幸代の視点で展開されていくのだが、終盤に近づくにつれ、課長の役割の大きさに気付かされる。ノーマークだったので、余計に。
三浦しをん氏と言えば、『舟を編む』で淡々と進む展開ながら舌を巻くような要素が幾つもあり、「好み」の作家であったが、久しぶりの読んでもやはり、「好み」であった。他の物語も引き続き読んでみたいと思わせてくれた。
ちなみに解説の書評は秀逸。これも物語と併せて一読の価値アリ。
三浦しをん(2014)『星間商事株式会社社史編纂室』.筑摩書房.
カテゴリー: 感想文(読書・映画諸々)
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