今回のテーマは、学校法人の合併についてです。

「学校法人藤学園と学校法人天使学園は、学校法人合併契約を締結いたしました」(2023.03.31 学校法人藤学園)はこちら

上記のプレスリリースによりますと2024年4月1日付けで北海道にある藤学園と天使学園が合併し「藤天使学園」が発足するようです。業界の人は認識していますが、私学の合併の場合、一番のハードルが「建学の理念(精神)」であります。一般の方からするとなんだそれ?という感じなのでしょうが、私学にとっては根本と言いますか、依って立つ原点といえる理念を「建学の理念」という言葉で表現しています。学校を創設するということが非常に難しかった時代(ほぼ明治期ですが)において、私学の創立者はそれでも学校を創設したいという熱い思いがあったわけです。その“思い”に賛同した人が寄付などの財務面での支援や人材面での支援を行ったことにより、どうにか開校にたどり着いたという私学は少なくありません。その思いを連綿と引き継いでいる私学においてその理念が全くシンクロする箇所が無い私学との合併はそもそもあり得ないわけです。

今回の場合、同じカトリック系という大本が一緒と言うことが合併にハードルを下げたことは想像に難くありません。

では、同じような合併が過去になかったのかと調べてみますと、ありました。

「法人合併のご挨拶」(2016.04.01 学校法人上智学園)はこちら

この合併の場合、カトリックイエズス会を経営母体とする上智学院を始めとした以下の4法人が合併しています。

学校法人栄光学園(神奈川県鎌倉市) 栄光学園中学高等学校

学校法人六甲学院(兵庫県神戸市) 六甲学院中学校・高等学校

学校法人広島学院(広島県広島市) 広島学院中学校高等学校

学校法人泰星学園(福岡県福岡市) 上智福岡中学高等学校

しかし、ここが興味深いところですが、4つの中学高等学校は上智大学の付属学校とはしていないという点です。経営的に安定しているということ、つまり、単体でも生徒募集が安定していることが前提だとすれば、シナジーは計り知れません。

今後、法人の合併だけでなく、学部譲渡などの動きが活発となることでしょうから、各私学がどのように動いていくのか、注目していきたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

1件のコメント

学習院女子大が学習院大に統合へ - 大学よもやま話 · 2023-08-04 11:50

[…] 30秒感想:北海道の藤学園と天使学園が合併します 30秒感想:大学の統合・再編について カテゴリー: 大学 タグ: 学習院大学学習院女子大学 […]

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です