３０秒感想：正社員に聞いてみたリスキリングの実態とは

「キャリアトレンド研究所　リスキリングで賃金が上がるのか？　経験者の昇給は1割にとどまる」（202303.07　マイナビ転職）はこちら

こういう調査にはメディアで報道される内容とは違った認識をさせてくれる結果が時々出てきますので、関心を持って見るようにしています。

今回のこの調査で見ると、「リスキリングの実施を検討する報酬額」の中央値が月額１万円という結果でした。年代別でも出ていますので是非とも詳細は見ていただきたいのですが、１万円の回答が全体の約２割程度でして、個人的には皆の期待値がこれほど低いとは。労働環境もさることながら、現在各社で検討しているベースアップも含めた賃上げが度々報道されていますが、国内だけでなく国外にも目を向けると、部課長クラスの賃金は、日本は既に先進国レベルからは陥落しているようです。それなのにスキルアップして期待する昇給分が１万円とは。何だか悲哀すら感じます。調査結果には折れ線グラフで分布を見れるようになっていますので、高低を読み取ることは可能なのですが、１万円が突出している印象は受けます。

また、「リスキリングを行うにあたり勤務先にあったらうれしい制度」という別の設問結果を見てみると、「費用負担」「賃金に還元」「就業時間内の学習可」が上位にあがっており、経費面でのサポートは当然のことながら、就業形態の柔軟性も雇用側は考慮に入れる必要がありますし、人員配置の冗長性も必要となることが読み取れます。

既に取り組みを始めている企業もあるようですので、この傾向は拡大していくことが予測されます。ただ、中小企業で人員配置の冗長性を確保できるかが大きな課題でもあると思います。

「〈独自〉オムロン、リスキリング支援　週３日勤務など導入」（2022.11.19　産経新聞）はこちら

そう言えば、先日の日本経済新聞には社内副業に関する記事がありましたので、こういう観点からの流動性が出てくると、リスキリングと謳わなくても別のスキルを獲得できていくようにも感じました。それでも、冗長性の担保は必須ですが。

「KDDI、社内副業3年で700人　二刀流で「三方よし」　6割が「すでにキャリアに好影響」」（2023.02.21　日本経済新聞）はこちら

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今後ともよろしくお願いいたします。

（参考記事）