今回のテーマは、私立学校法の改正についてです。

「私立学校法の一部を改正する法律案」(2023.02.17 文部科学省)はこちら

「私立学校法の一部を改正する法律案の概要」(2023.02.17 文部科学省)はこちら

主な改正のポイントは以下の4点。

1.理事の選任機関を寄付行為で定めること。理事長の選定は理事会が行う。

2.監事の選解任は評議員会によって行う。役員近親者の就任を禁止。

3.理事と評議員の兼職を禁止。評議員会は選任機関が機能しない場合に理事の解任を選任機関に求めたり、監事が機能しない場合に理事の行為の差止請求・責任追及を監事に求めることが可能。

4.会計監査人による会計監査を制度化(大臣所轄学校法人)

紆余曲折の結果、今回はこの形が落としどころということなのかなと。理事の選任機関をどのように設定するのかが気になるところですが、条文を見ると、

「第29条 理事選任機関の構成、運営その他理事選任機関に関し必要な事項は、寄附行為をもつて定める。」

とありますので、理事の意向が働きそうな気もしますが。

また、理事と評議員の兼職が禁止となったことはプラスの面(理事会の直接的意向が働きにくくより客観的に判断することが求められる)とマイナスの面(経営陣の意見聴取がダイレクトにしにくい)がありますが、一旦リセットしてみるのも良いかと思いました。

報道を見てみますと、日本大学の案件があったためか、懲罰の方に視点が当たっているようです。

「学校法人役員に刑事罰新設、特別背任に「7年以下の拘禁刑」も…「私立学校法改正案」閣議決定」(2023.02.17 読売新聞オンライン)はこちら

専門家はどのように見ているのか。新日本法規のHPに閣議決定前の内容ではありますが、解説がなされていました。

「大学では今─問われる学校法人のガバナンス(法苑197号)」(2022.09.12 新日本法規)はこちら

ガバナンスをどのように利かすのか。所詮は人が運営することですので法規で全てをまかなうことは難しいでしょうから、何か起こった際の対処法を定めておく程度、と言う視点に立つと今回の改正で運用していき、私学団体の意見も聞きつつ、現状を検証しつつ、改正していくのが妥当ではないかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

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