今回のテーマは、大学等における産学連携等実施状況についてです。
「令和3年度 大学等における産学連携等実施状況について」(2023.02.10 文部科学省)はこちら
この調査で私が着目したのが、「クロスアポイントメント制度の実施状況」です。
クロスアポイントメント制度とは、「出向元機関と出向先機関の間で 、「出向に係る取決め」を実施するとともに、出向者(=教職員)が、出向元及び出向先それぞれと労働関係があり、各機関の責任の下で業務を行うことが可能となる仕組み」のこと。
導入した機関数の割合を見てみますと以下の通り。
国立大学等 138校(導入機関数)/142校(回答機関数) 97%
公立大学等 23校(導入機関数)/104校(回答機関数) 22%
私立大学等 67校(導入機関数)/809校(回答機関数) 8%
どうですか、この差。国立大学等(高専含む)はほとんどの機関で導入されているのに対して、私立大学等(高専含む)は1割未満という結果です。元々の母数の違いと言ってしまえばそれまでですが、この差は興味深いところです。
実際の制度を活用した教職員数については、設置区分別の公表はされていませんので不明ですが、受け入れは12.2%(84人)の増加に対して、出向は0.7%(3人)の減少となっています。出向の減少はおそらくインセンティブとの関係もあるでしょうから、難しいところです。ちなみにインセンティブ(ここでは給与の上乗せを指しています)を整備している機関数は47機関と昨年度から3機関の増加、うち実施済みは17機関とのことで、このあたりを整備していくとさらに産学連携が加速していきそうではあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
(参考記事)
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