Every act of creation is first an act of destruction.
Pablo Picasso
いかなる創造活動も、はじめは破壊活動である。
パブロ・ピカソ
この物語はプロレスラーの物語。この物語を読むことによって、プロレスラーという人種がどういったものを知ることができ、かつ体感することができる。プロレスラーという生き物。それはエンターテインメントを体現している生き物。プロレスラーという職業ではなく生き物そのもの、人生そのもの。だからこそ、飽きることなく人々を魅了し続けている。子どもの頃に見ていた方はもう一度、見ていなかった方も一度、この物語に没入した上で、プロレスを体感していただきたい。
プロレスラーは常人では考えられない体躯だけなく、本質はその思考にあると言える。人々が考えつかないことを考えつき、実行してしまう。その実は常にエンターテインメントにある。この物語もその軸一本で貫かれている。最後の一文字まで楽しめる。ニヤッとさせられる。これがプロレスかと。
アーティストのピカソは、冒頭の言葉を残し、創造の始まりを伝えた。破壊することに恐れを抱かない人間はいないのだが、一本ネジの取れた思考のプロレスラーであれば、常識や固定観念の破壊にも恐れを抱かない。アートとエンターテインメントの共通を感じさせてくれる物語でもある。
あっ、頭空っぽにして単純に楽しめる物語です。
というわけで、オススメ。
横関大(2016)「炎上チャンピオン」.講談社.
(参考記事)
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30秒間読書感想文:横関大氏『ミス・パーフェクト』 - 大学よもやま話 · 2023-05-08 22:33
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