文部科学省のメーリングリストに登録しているとその日の夕方には文部科学省の発信情報をタイムリーに確認することができます。

今回はその中から、結構、衝撃的な調査結果についてです。

「薬学部における修学状況及び退学状況等の調査結果について」(2023.01.23 文部科学省)はこちら

以前より報道で薬学部については課題をしてきされていましたが、実際の調査結果を見ると衝撃です。毎年度公表されていますので、ご存知の方も多いのかも。私はここまでとは思っていませんでしたので、生のデータを見ると驚きました。

「薬学部急増、2025年度以降は新設認めず…将来的な「薬剤師余り」に対応」(2022.07.19 読売新聞)はこちら

薬学部における修学状況等 2022(令和4)年度調査結果

こちらは出願状況から定員充足(大学では各学部学科に入学定員が定められていますのでその定員数をどの程度満たしているか)・卒業状況(入学してから一体何名が卒業したか)などが大学別にまとめられています。もちろん、薬剤師は国家資格ですので国家試験の合格者数も。

薬学部の6年制課程における退学状況等 2022(令和4)年度調査結果

こちらは2012年度から2016年度までの退学率と国家試験合格率と卒業率が一覧で見ることができます。

薬学部の6年制課程における大学(学部)別の修学状況等(2022年度)

こちらは上記2つのデータをグラフ化したもので、一番分かりやすいと思います。

ここまではっきりと結果が出ると、今後、行政指導をしていくということなんでしょうか。6年制に移行したこと、規制を緩和し新設に門戸を開いたということ、どれもが議論した上での制度改正なにでしょうが、結果だけ見ると競争的環境が学生にとっても大学にとっても当初期待していたものとなっていないことは明らかです。国家試験の合格率が全てではないのでしょうが、6年間を費やして資格を得ることが出来なければ私学の場合相当な経済的負担となります。国公立大学では平均合格率の60%を10ポイント上回る70%を維持しているわけですから、私立大学の平均の低さが目立ちます。おそらく行政指導とまではいかないまでも入学定員未充足もしくは収容定員未充足の場合は経常費補助金を減額していき、定員の削減もしくは募集停止へと導くのだと思われます。法科大学院も同様の措置を講じており募集停止が相次ぎましたので。

そう考えると議論したとはいえ、今の状況が想像つかなかったとはとても思えず、敢えて規制を緩和し、競争的環境を作り出したということなのでしょう。法科大学院の際にも思いましたが、教育機関において競争的環境が必ずしも必要なのか。疑問が残ります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします

カテゴリー: 大学

0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です