2022年度4月に開設予定の学部学科の設置届出が公表されています。(公私立大学です)

令和4年度開設予定の大学の学部等の設置届出について(令和3年4月分)はこちら

常々、学部学科の設置を見ていると、高等教育のトレンドと言いますか、動向が見えてくると思っており、定点観測をしています。趣味に近いですかね。

この4月分の設置の届け出を見てみますと、“国際”系の学部学科がまだ開設されることに目が行きました。皆さんもご経験された通り、コロナ禍で国内でも外出が自粛された状態が続き、国内がそんな状態ですから国外への出国なんてもってのほかという現状において、“国際”系の学部学科が開設されることに軽く衝撃を覚えた次第です。確か、2021年度入試の志願者数も減少していたと記憶しています。ですが、既存の学部学科の改組をして開設する大学が3大学もありますから、決して偶然ではないと思われます。

具体的には

武蔵大学(東京都練馬区)が既存の経済学部・人文学部・社会学部の定員を減して、国際教養学部を開設

追手門学院大学(大阪府茨木市)が既存の国際教養学部を廃止して、国際学部と文学部を開設(ここは国際学部だけでないところに、戦略を感じますね。学長も確か人文学系の方だったと思います。)

摂南大学(大阪府寝屋川市)が、既存の外国語学部・経営学部を廃止して、国際学部を開設

と、設置の届け出ですので、既存の学部学科に学問分野があるにせよ、3大学とも「国際」という文言を使っているところに何かこの先を見据えた仕掛けを持っているような気がしてなりません。単に1年の長期留学などの仕組みだけでなく、もっとオンライン教育も含めた仕掛けがあるのだと思います。それにしても武蔵大学は既に東京という激戦区での後発になりますし、追手門学院大学と摂南大学は関西圏での激戦区での後発となります。

余談ですが、既に2016年4月に国際学部を開設している近畿大学は2022年4月に既存の理工学部電気電子工学科の定員減と情報学科を廃止して情報学部を開設します。先んじて手を打っている近大ならではのスピード感を感じるのは私だけではないはず。ただ、これから更なるマーケットの縮小が発生しますので、近大のように規模を追っている大学は果たしてどのような戦略を採っていくのかますます目が離せません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

1件のコメント

1分間解説:令和4年3月末申請の大学の学部等の設置等認可の諮問について - 大学よもやま話 · 2022-04-16 22:39

[…] 今年度の開設で見てとれたのは国際系学部の開設でしたが、令和5年度の開設で見えてくるのは、データサイエンス系学部です。 […]

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です