３０秒間読書感想文：横関大氏『マシュマロ・ナイン』

『面目躍如』

題名からはおよそ想像がつかない今回の物語。装丁を見た上で読み進めるとなるほどと。

あらすじでも出ていますが相撲部の面々がとある理由から野球部に入ることに。それも出来たての。そして、その監督はとある理由から引退した元プロ野球選手。引退理由が本人が納得いくものではなかっためいやいや引き受けた状況で、かつ、甲子園出場の厳命。でないと高校教師の職を失ってしまう。

端から無理筋の始まりのようなんですが、またもや没入してしまいました。自分とは似ても似つかないガタイの登場人物にドキドキハラハラしたりなんかして。

主人公は元プロ野球選手の小尾竜也。なんですが、実は、元相撲部で野球部キャプテンに就任する二階堂康介と小尾の娘である茜ではないかと。

要所要所でこの二人の活躍が光る場面があるんですよね。

どんな境遇に置かれてもその場を凌ぐだけではなく、全力を傾け、楽しむ。道はひとつではなく、いくつもあるもの。

何歳になっても発見はあるものです。

ということでオススメです。

横関大（2016）『マシュマロ・ナイン』．KADOKAWA

（参考記事）