ようやく今年の大学入学共通テストが終了しました。

改めてどのような試験だったのかはこれから大手予備校によって分析・解説されていくと思いますが、その前に今後、どのような展開になるのかを各種報道から概観してみたいと思います。

「入試傾向まるで別物 私大専願者が共通テスト離れ」(2023.01.11 産経新聞)はこちら

「問われる思考・判断力 私大専願者の「共通テスト離れ」進む可能性」(2023.01.14 毎日新聞)はこちら

「私大専願者に「共通テスト離れ」 問題内容がセンター試験と違いすぎ」(2022.12.06 朝日新聞)はこちら

結論から言うと、国公立大学受験者用の試験になっていくため、出願数は減少するだろうという予測がほとんどでした。但し、同じ方に取材していますので、もしかすると別の観点の報道もあるかもしれません。

少し内容を見てみましょう。

河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員は共通テスト離れの傾向がさらに強まり、「来年1月の共通テストは願書すら出さない受験生が増える」(上記朝日新聞より)と予測されています。

また、「駿台によれば、東京都の共通テスト出願者のうち、国公立大型の5教科を受けるのは3分の1にすぎず、神奈川県や大阪府で6割、地方だと8割以上になる。」(上記朝日新聞より)との文言も。

地方に住んでいると確かに国公立大学を志望する生徒の話が話題となります。実際、塾の外にも国公立大学の合格実績が大きく張り出されていますし、高等学校の学校案内の進学実績にも同様の印象があります。

このあたりが都会だと私立大学の合格実績が大きく出されているということなんでしょうね。そうなると、以前の共通テストとは異なる現在の共通テストは私立大学の個別入試と異なる対策をしなくてはいけなくなるので敬遠する受験生が増え、出願そのものをしなくなるのは予想の範囲内なのでしょう。

駿台予備校の石原氏の共通テスト自体の見解を見てみると、

「受験のプロが語る! 大学入学共通テストは難化したのか? 進む二極化は一般入試にどう影響する? 2023年度の大学入試地図を描いてみる。 駿台予備校進学情報事業部長 石原賢一氏」(キャリタス進学)はこちら

石原氏は難化したのではなく、「出題形式が大きく変わったこと」に難化のイメージの要因があると指摘されています。簡単に言うと「問題文が長いこと」。「長文の問題文を理解する力」=読解力がないと太刀打ちできないという指摘です。

ここで改めて思ったのは、大学入学共通テストの存在意義です。母数である18歳人口がこれだけ減少傾向にあり、かつ大学入学共通テストの受験者数も減少するという前提にたつのではあれば、これだけのコストをかけて実施する必要があるのかどうかです。各国公立大学で実施される一般選抜だけで良いのではないかと思われますがどうなんでしょうか。大学入学共通テストに振り分けの機能を持たすのではなく、受験生は受けたい大学の個別入試をダイレクトに受験するという形態に戻してみては?というのが私の印象です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)

カテゴリー: 大学

1件のコメント

30秒感想:東京外国語大学の入試における数学必須化について - 大学よもやま話 · 2023-03-14 22:34

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