今回のテーマは、半導体製造工場の影響についてです。

「TSMCが日本での2つ目の工場建設の可能性に言及、imecは日本での研究所を設置を検討」(2022.12.12 TECH+ マイナビニュース)はこちら

昨年末に上記のニュースを見まして、半導体製造大手のTSMCが早くも2棟目の工場建設を予定していることにスピードの速さに正直、驚きました。加えて、半導体の国際研究機関であるimecも半導体研究開発拠点の進出を検討中とのこと。おそらく政府と協議しての上でしょうから、ここへ来ての怒涛の施策は驚異的です。

そして、これに伴う諸々の影響も注目したいところです。

例えば、TSMCの熊本工場設置では、半導体に関する人材育成のためのコンソーシアム(九州半導体人材育成等コンソーシアム)が立ち上がっていますし、おそらくこれに伴って熊本大学では、新課程が開設されます。

「令和6年4月新学部組織(情報融合学環(仮称)(学部等連係課程)/工学部半導体デバイス工学課程(仮称))の開設を計画しています。」(熊本大学)はこちら

ちなみに上記のお知らせによりますと、同課程は「工学部他学科と同様、大学院自然科学教育部博士前期課程と連携した6年一貫の教育プログラムとして整え、専門性をさらに深化することを可能」としているからかなり高度な専門人材の育成を目的としています。

そうなると、高度専門人材育成の機関である高専においても同様の動きがあり、半導体人材育成の事業を展開することとなっているようです。

「高専機構、産学官と連携した半導体人材育成を始動~九州地区を中心とする始動から全国展開へ~(2022.05.19 国立高等専門学校機構)はこちら

この事業の拠点校としては、熊本高専と佐世保高専で九州・沖縄地区の高専が中心となって、全国の高専に展開していく計画となっています。ここでも九州地区を拠点としていますので、上記の「九州半導体人材育成等コンソーシアム」との連携強化も図られるとのこと。

ここまで大きな動きを起こしたTSMCの日本進出ですが、2つ目の工場がどの地域へ進出するのかには注目が集まりそうです。高専は引き続き拠点を増やしていくでしょうし、国策となっていますので、当該工場の地域の国立大学が拠点大学となることはほぼ確定でしょう。そうなると半導体に関する学部学科も設置されるでしょうし、すそ野はさらに拡大していくことが予想されます。台湾企業は常に地政学的な脅威に晒されていますので、リスクヘッジを念頭に戦略を練っているでしょうが、国内の大学においても同様の戦略を意識しておく必要があります。ちなみに九州半導体人材育成等コンソーシアムでは、福岡大学が私学として唯一参画していますので、私学が蚊帳の外というわけでもありませんので、動向には注目していきたいところです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

(参考記事)


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