現在、中央教育審議会大学振興部会では、「学生保護の仕組みの整備」が議論されています。
「大学振興部会(第7回) 配付資料」(2022.12.06 文部科学省)はこちら
「学生保護の仕組みの整備」に関する主な課題・論点」(2022.12.06 文部科学省)はこちら
論点は、以下の5項目です。
① 破綻を避けるために学校法人(大学)が行うべきこと
② 破綻が避けられない場合に学校法人(大学)が行うべきこと
③ 破綻リスクを低減するために国等が行うべき措置
④ 破綻時に国等が学生を保護するために採るべき措置
⑤ 撤退・破綻する大学に関する手続、取扱いの検討
いかがでしょうか。学生保護の仕組みという表現ですが、中身は今後発生するであろう学校法人の破綻を前提とした検討内容となっている印象を受けます。むしろ、今まで議論されてきていない方が不思議ですが、日本私立学校振興・共済事業団が「学校法人の経営改善等のためのハンドブック」が提示されていますので、既に想定はされていて、いよいよ近づいてきたため、改めて議論の俎上に乗ったというところでしょうか。
また、こういう審議の場合に、統計資料が参考資料として出てきますが、これを見てみると私学の置かれている状況が一目瞭然立ったりします。
「「学生保護の仕組みの整備」に関する参考資料」(2022.12.06 文部科学省)はこちら
具体的に見てみますと、財務状況では、4年制大学の31.4%(191校)がいわゆる赤字の状態です。他の学校種を同様に見てみると、短期大学は69.1%(206校)、高等学校は42.1%(542校)が赤字の状態にあります。
規模別の入学定員充足状況では、入学定員800人以下の大学は入学定員未充足の状態にあり、一方で800人以上の大学は入学定員を充足しています。
あとは、過去の対応事例として、学校法人堀越学園(群馬県)の事例が詳細に記載されています。結論としては、経営改善が見込まれることはなく、文部科学大臣から解散命令が発出されたということです。経営の甘さは、強固な学校法人会計をしても救うことが出来なかったという事例です。決して他山の石ではなく、自分事として捉えておきたい事例です。
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