捨身飼虎(しゃしんしこ)

人はどうしても自分がかわいいもの。まず、自分があって、その後、他者がいる。誰しもがそうだと思っていると、時々、世のため、人のために尽くしている人に出会うことがある。その行為、喜びを感じているようにも見える。
自分もそうありたいと思いながらも、早々に断念するのは毎度のこと。なので、せめてそのような人のサポートをしようと方針転換して、自己満足するという。

今回の物語の主役は、題名とおりピエロその人と就職がなかなか決まらない立花陵。街中にピエロがいると異様な感じがすると思うのですが、この物語のように意外と受け入れるものなんでしょうね、きっと。このピエロ、本当に街の人たちの為に献身的に行動しまくる。その行動に迷いがない。最初は本気なのか冗談なのか、読み取れない。でも、段々と本気度が見えてくる、少し怖いくらいに。その狂ったくらいの本気度が周りの人を巻き込んでいく。そこにミステリーの要素も加わり、後半は加速して展開していく。

今回もオススメです。


横関大(2017)「ピエロがいる街」.講談社.

(参考記事)

https://takayamaclub.matrix.jp/columns/reading-impressions-yokozekidai-5/

1件のコメント

30秒間読書感想文:横関大氏『わんダフル・デイズ』 - 大学よもやま話 · 2023-03-20 22:31

[…] 30秒間読書感想文:横関大氏『ピエロがいる街』 […]

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