今回のテーマは、大学の市街地回帰についてです。
「キャンパス、中心街に戻る リスキリングなど拡大 東北学院大学、社会人受け入れ拡大/広島大学、法曹・行政職員と交流」(2022.11.16 日本経済新聞)はこちら
少し前の記事ですが、日本経済新聞に上記の記事が掲載されていました。内容としましては、大学の中心市街地への回帰が再度行われているというものです。
具体的には東北学院大学と広島大学が取り上げられています。他にも群馬パース大学、追手門学院大学、徳島文理大学も一覧として取り上げられています。
ということで、せっかくですので、各大学のHPを見てみることとしました。
計画によると、既存の泉キャンパスと多賀城キャンパスを移転し、土樋・五橋キャンパスへ集約し、都市型キャンパスとするようです。(2023年4月)
広島大学 法学部および大学院法学・政治学プログラム東千田キャンパス移転について
現在、法科大学院がある場所に法学部と大学院法学・政治学プログラムが移転されることによって、より法曹養成の強化を図る計画となっています。(2023年4月)
「群馬パース大が前橋キャンパスを整備へ 旧前橋中央小の跡地に 医療福祉関連の学部を27年春に新設」(2022.02.26 上毛新聞)はこちら
追手門学院大学 総持寺キャンパス 2025年に拠点集約・新施設計画
茨木安威既キャンパスにある学部を既にある総持寺キャンパスへ移転(大学院はそのままのようです)し、集約化を図る計画となっています。(2025年4月)
徳島文理大学 香川キャンパス移転(2025年4月より)について
こちらは高松駅に隣接する施設を建設し、全面移転する計画です。(2025年4月)
これらを見ても分かるように一概に「都市型キャンパス」と括っても、その施設の有り様は様々です。東北学院大学・群馬パース大学・徳島文理大学は駅近くもしくは隣接していますから、通学の利便性がグッと上がりますし、広島大学・追手門学院大学は機能を集約させて教育研究環境の強化を目指しています。追手門学院大学の場合、中高一貫校が隣接していますので、別の相乗効果も期待できそうです。
では、立地や機能以外の視点で見るとどうでしょうか。ひとつのヒントは海外の大学にありました。
「街に開かれ、市民に開かれた 都市型キャンパス(RMITユニバーシティ(ロイヤルメルボルン工科大学),メルボルン,オーストラリア)」(2021.06.07 WORKSIGHT)はこちら
この頁の中で、ニコール・イートン氏(RMITキャンパス・プランニング・サービス部門)は新しいキャンパスを「いかにスティッキー(粘着力のある)なキャンパスにするかという挑戦」と捉えています。
都市型キャンパスである意義を捉え直した時に、都心の誘惑の多い環境でいかに学生がそのキャンパス内で過ごせる環境を産み出すか、を課題と捉えています。そのためにストリートに開かれた設計であったり、市民が利用できるスペースであったり、それまでの学生中心の設計というよりもよりオープンな設計になっています。実際に画像を見てみるとそのコンセプトがそこここに溢れています。
そう捉え直すと、都市に立地している大学の意義が違って見えてこないでしょうか。
例えば、神奈川大学がみなとみらい地区に2021年4月に開設した新キャンパスはソーシャルコモンズを有しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
0件のコメント