「不即不離」

つかず離れず。

近いようで近くなく、遠いようで遠くなく。迷いと悟りの関係を仏教ではこのようにも著しています。

人間関係も同様で近すぎると様々な弊害が出てきます。ヤマアラシのジレンマという表現であれば耳にされた方もいらっしゃるかと。

さて、今回の物語。

短編集ながら、いや短編だからこそ、全てを読みきると見えてくるものがあるような構成になっています。少し急ぎすぎている感もあるにはあるのですが、読了するとそれもアリだなと思わせてくれます。

主人公は弁護士の剣持麗子。あいも変わらずワーカホリックな彼女ですが、それに加えて、前回の物語の弁護士の仕事まで引き受けています。仕事は出来る人の所へ舞い込むを地でいっています。というわけで、助手として黒丑くんを雇うわけですが、素性調査もちゃんとしています。

弁護士という職業柄、様々なタイプの人間と付き合わざるを得ないでしょうから、このあたりにもリアルな現状が垣間見えます。

私は物事や人間関係の距離感を「間合い」というワードで表現していますが、間合いの取り方、詰め方は未だによく分かっていません。若い方でも絶妙な方もいますしね。私が若い時に目上の方に実践していた間合いの取り方は一度、怒られるくらいまで踏み込んでみるというやり方でした。こちらだけでなく、相手の方とも間合いが共有できますので。今では間合いを詰めたい方がほぼいなくなりましたので、そのようなやり方はしておりませんが。

最後に今回もオススメの物語です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

新川帆立(2022)『剣持麗子のワンナイト推理』.宝島社.

(参考記事)

https://takayamaclub.matrix.jp/columns/reading-impressions-shinkawahotate02/

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