今回のテーマは、文部科学省が創設する基金についてです
「理工系学部拡充へ文科省が基金創設 成長分野の人材育成」(2022.08.15 日本経済新聞)はこちら
夏ごろの記事ですが、2023年度には文部科学省(正確には「大学改革支援・学位授与機構」に設けられるみたいです)が理工系分野の人材育成のための基金を創設します。当初は100億円からスタートして複数年で1000億の基金を目指すようです。
この基金、以下の日刊工業新聞の記事にも解説されているのですが、3つの柱から成り立っています。
「理工系強化に100億円、文科省が私立大・国立大に異なる手だてで支援」(2022.09.10 ニュースイッチ(日刊工業新聞))はこちら
「高等教育局主要事項 令和5年度概算要求(8頁)」(文部科学省)はこちら
1)学部の再編等による特定成長分野 (デジタル・グリーン等) への転換等支援
2)高専の機能強化
3)トップレベルの情報人材の育成支援
日経新聞・日刊工業新聞の記事にも記載があるように日本の分野別学生数を海外と比較すると自然科学系の学生の割合は低いようでして、理工系に至ってはOECDの平均からは10ポイントほど下回っています。成長分野の強化を教育未来創造会議で定めてからの具体的な施策として次年度の予算要求に至っていますから、ここから政府の意図を推し量ることができます。つまり、一時期に増えた文系分野から理系分野への転換を図るのであれば支援しますよということです。もちろん、これは国立大学へ向けてではなく、私立大学へ向けての支援策でしょうから、これから各大学がどのように動き出すかに注目していきたいところです。
ただですよ。ただ、理系分野は文系分野と比べて人員はもちろんのこと、施設設備への投資が膨大なものになりますからそこを既に立てている今後の経営戦略とどのように擦り合わせていくのかがポイントになるかと思います。現実的には新設というよりも既にある理系分野の学部の再編・拡充等が進められていくのでしょうね。
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