何と言いますか、私にとって異色の物語でした。主人公は42歳独身の魚住久江。元捜査一課で今は所轄に配属されている警察官です。ほのぼのと言う表現とも異なりますが、それぞれの物語における事件性は決して派手なものではなく、現実に起こり得そうな事件なのですが、主人公のアプローチは至極真っ当なものでして、決して劇的な事件解決や立ち回りがあるわけではありません。なんですが、引き込まれるというか、次を読みたくなる物語となっています。なんだか不思議な感覚でした。没入感ともまた異なった感覚でした。主人公の年齢が落ち着いているというのもあるのでしょうが、淡々と進んでいくのだけれども最後はちゃんと真っ当なラストを迎えるようになっています。

著者の誉田氏は、昔、夢中で読んだ『武士道シックスティーン』の作者でもありますから、気にはなっていましたので、これを機に読書リストに入れたいと思います。それにしても誉田氏の物語って映像化が多いですよね。これも一つの特徴なんでしょうね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

誉田哲也(2014)『ドルチェ』.新潮文庫.


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