今回のテーマは、薬剤師養成課程の薬学部についてです。

薬学部に関する報道が一時、メディアを賑わせていましたので、ご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、早ければ、2023年度から新設の申請は出来なるようです。

「薬学部の定員抑制へ 退学率5割超の大学も 質低下に懸念の声」(2022.07.22 朝日新聞)はこちら

ということで、ここに至るまでの審議があるはずと思い、文部科学省の審議状況を見てみるとありました。

「薬学系人材養成の在り方に関する検討会(令和3年度~)(第2回)配付資料」(2021.12.24 文部科学省)はこちら

この配付資料の「資料7」にある中間とりまとめ(案)に記載がありました。

「資料7 薬学部教育の質保証に係る調査に関する中間とりまとめ(案)」(2021.12.24 文部科学省)はこちら

この中の「(2)ヒアリング調査により得られた取組事例と課題等について」の課題として挙げられていたのが、以下の2項目です。

ア.入学者選抜の見直し

イ.入学定員に関する取組等

で、このイの中に下記の言及があります。

「定員規模を調整することによる教育の質の維持・改善については、18 歳人口の減少などを鑑みると、各大学の自主的な定員削減のみでの対応は困

難であり、国としても、適切な入学定員規模・入試倍率を維持しやすくする方策を検討する必要があるのではないか。」

もう個々の大学の入学定員の管理(削減)だけでは無理がありますよということですね。

でも、薬学部の門戸を開いた時から薬剤師の飽和状態は予測されていましたので、もっと早めの対応があっても良かったのではないかと個人的には思ってしまいます。

その結果が、少し古いですが、下記のような記事にも挙がっているように退学率の常態化や入学定員未充足の常態化を招いたわけで、

大学にとっても、薬剤師の団体にとってもそうですが、入学者にとっても不幸な結果を招いてしまっています。

「退学率50%超も…薬学部の異様な修学状況が判明、入試の簡易化で学生の質低下か」(2022.02.13 ビジネスジャーナル)はこちら

同じような状態は法科大学院でもありましたので、申請の緩和・抑制などは本当に十分なデータと議論が必要ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー: 大学

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